オーディオバスのアーキテクチャー
ゾーン、レイヤー、プログラム、およびスロットのオーディオ信号は、オーディオバス経由で管理します。HALion
のスロットは常に 1 つの専用バスを使用しますが、プログラムは 1 つ以上のオーディオバスを使用して、プログラ
ム内のレイヤーおよびゾーンからのオーディオ信号をミックスできます。レイヤーには必ずしもオーディオバスは
必要ありませんが、たとえばレイヤーに含まれているゾーンのサブミックスを作成する場合などにいつでも任意に
オーディオバスを作成できます。これらのオーディオバスには、単一のレイヤーまたはプログラム全体のオーディ
オを処理する場合などにインサートエフェクトをロードできます。また、AUX バスを使用するとゾーン、レイヤー、
プログラム、およびスロットでセンドエフェクトを使用できます。センドエフェクトはゾーン、レイヤー、プログ
ラム、およびスロット間で共有できるため、処理能力を節約できます。ゾーンには独自のオーディオバスはありま
せん。そのかわり、出力は、使用可能な次のオーディオバスに自動的にルーティングされます。すべてのゾーン、
オーディオバス、AUX バスは、プラグインのステレオ出力またはサラウンド出力に自由に割り当てられます。たと
えば、間にオーディオバスやエフェクトを入れずにゾーン出力を直接出力バスにルーティングできます。
オーディオ信号のデフォルトの流れ
通常、プログラムはスロットにロードされます。各スロットは直接出力バスに接続され、プログラムのオーディオ
バスからスロットのオーディオバスに信号が送信されます。プログラムには、1 つ以上のゾーンや 1 つ以上のレイ
ヤーを任意に含めることができます。レイヤーには、ゾーンを含む他のレイヤーを含めることができます。ゾーン
出力は、1 つ上のレイヤーのオーディオバスにミックスされるか、プログラムに直接ミックスされます。
➯ 処理能力の節約のために、レイヤーやプログラムのオーディオバスは任意に選択できるようになっています。レ
イヤーにオーディオバスがない場合、レイヤー内のゾーンは自動的に 1 つ上のオーディオバスにルーティングさ
れます。
オーディオバス
オーディオバスはミキサー内のチャンネルに似ていますが、ミキシングおよびルーティング機能に関しては、はる
かに柔軟性に富んでいます。初期設定では、各スロットに少なくとも 1 つのオーディオバスがあり、そこでスロッ
トやプログラムに含まれるレイヤーおよびゾーンの信号をミックスします。初期設定ではレイヤーにオーディオバ
スはありませんが、レイヤー用のオーディオバスも作成可能です。
ルーティングおよびミキシング機能の他にも、オーディオバスを使用するとインサートエフェクトをロードしてバ
ス上のオーディオを処理できます。インサートエフェクトはオーディオバスの設定方法に応じて、単一のレイヤー、
プログラム全体、またはスロットにロードできます。たとえば、ピアノとストリングスのレイヤーサウンドで、ス
トリングスだけをコーラスエフェクトで処理し、 ピアノは処理せずそのままにするということが可能です。 インサー
トエフェクトは、ミキサーでチャンネルのエフェクトスロットにロードします。
また、オーディオバスを使用するとオーディオをセンド経由で AUX バスにルーティングできます。これにより、レ
イヤー、プログラム、スロット間で共有可能なセンドエフェクトを設定できます。センドは直接ゾーンに割り当て
るか、またはミキサーで表示されるチャンネルのエフェクトスロットに割り当てます。センドはレベルの調節が可
能で、これにより AUX バスにロードされたエフェクトの量をコントロールできます。
ミキシングとルーティング
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