気管孔の気道管理
緊急時
のど元の気管孔から呼吸していることを救急隊員に知らせる必
要があります。これにより、救急隊員が酸素吸入および人工呼
吸を口や鼻ではなく気管孔に行う必要があると判断することが
できます。
あなたと担当医は、当社のウェブサイト www.atosmedical.com/
rescuebreathing から人工呼吸ガイドラインをダウンロードして
おくことをお勧めします。
非緊急時
挿管 (気管に呼吸管を入れること)を要する手技を受ける必要
がある場合、 のど元の気管孔から呼吸をしておりボイスプロテー
ゼを使用していることを麻酔科医および手技を行う医師が認識
している必要があります。麻酔科医および医師は、ボイスプロ
テーゼが所定の位置に留置されている必要があることを理解し
ていなければなりません。ボイスプロテーゼが外れると、あな
たの口、食道、胃から出た液体が気管に入ってしまうことがあ
ります。
そのため、ヴォイスプロテーゼがずれたり外れたりしないよう
に、挿管チューブの挿入および抜去を慎重に行うことが極めて
重要です。
1. 用語解説
臨床家:
HME :
PE部 :
シリコーン :
シャント :
気管孔 :
ヴォイス ・
プロテーゼ
(人工喉頭) :
2. 記載情報
2.1 使用適応症
Provox Vega(プロヴォックス・ヴェガ)は、喉頭を外科的切
除した後、音声リハビリテーションで使用する滅菌済で使い
捨ての留置型人工喉頭です。ヴェガの手入れは、装着したま
ま患者が行います。
2.2 製品説明
ヴェガは一方弁がついた、発声のためのシャント孔を維持す
る使い捨ての医療器材(プロテーゼ)で、飲食物が気管に入
り込む危険を減らします。 素材は医療用シリコーンおよびフッ
素樹脂です。
説明図は Figure 1 をご参照下さい。
a) フード
b) シャフト
c) 気管側フランジ
d) 放射線不透過性弁座(抗カンジダ性)
e) 食道側フランジ
f) 弁
ヴェガの包装
ヴェガの包装には、以下のユーザ付属品が入っています。
ヴェガに対応した大きさの未滅菌 Provox Brush
•
(プロヴォックス・ブラシ) (1 本)
•
プロヴォックス・ブラシ使用説明書 (1 冊)
•
患者用マニュアル (1 冊)
日本語
医師、言語療法士、言語聴覚士、または
音声リハビリテーションの訓練を積んだ看
護師。
Heat and Moisture Exchanger (熱および
水分交換器) 。 人工鼻のこと。 気管孔を介し
て呼吸する際に損なわれる呼気中の熱お
よび水分を保持する器材。
咽頭食道部。 ヴォイス ・ プロテーゼを用い
る際、 ここで組織が振動して音が作り出さ
れます。
医療機器によく使用される素材。
気管と食道の間に設けられた小さな孔。
頸部前面に設けられた呼吸孔で、 気管が
皮膚につながれています。 ストマとも言い
ます。
シャントに挿入されるフランジ (2ページの
図のcとeの部分) と一体となった一方弁であ
り、 食道に空気を流し込むことで、 気管に飲
食物が入る危険を減らしつつ、 発声を可能
にします。 本書では、 プロヴォックス・ヴェガ
のことです。
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