ントポイントをフォールアレストの目的で使用することができます。 胸
部アタッチメントポイントの実用的な使用は、 次のものを含みますが、
これらに限定されません: スライド式や自動巻取り式のフォールアレス
ターを使用しての梯子の登下降、 ワークポジショニングおよびロープ
アクセス。 胸部アタッチメントポイントは、 レストレインやレスキューで
も使用できます。
墜落時に胸部アタッチメントポイントによって吊り下がった場合、 フル
ボディハーネスのデザインにより、 荷重はユーザーを支えているショル
ダーストラップおよび大腿部周辺に分散されます。
墜落後、 胸部アタッチメントポイントにより吊り下がった場合、 ユーザー
の身体はおおよそ座ったような姿勢となり、 大腿部、 臀部、 背中の下部
に荷重がかかります。
胸部アタッチメントポイントをワークポジショニングに使用する場合、
ユーザーの身体はおおよそ上体が起きた状態となります。
胸部アタッチメントポイントをフォールアレストの目的で使用する場
合、 適任者は使用方法の評価を行い、 必ず足から墜落するように対策
をとる必要があります。 許容落下距離を抑えるための対策も必要です。
胸部アタッチメントポイントが調節型チェストストラップに取り付けら
れている場合、 墜落の際や吊られた際にチェストストラップが上部にス
ライドし、 ユーザーの首が締めつけられる可能性があります。 このよう
な状況が想定される場合、 適任者は固定式の胸部アタッチメントポイ
ントを採用したフルボディハーネスの選択を検討する必要があります。
12.腹部
腹部アタッチメントポイントは、 必ず足から墜落することが想定される
場合にスライド式フォールアレスターと連結して梯子の登下降に使用
したり、 ワークポジショニングの目的で使用したりすることができます。
腹部アタッチメントポイントを使用した場合、 墜落後やワークポジショ
ニングの際、 ユーザーは上半身が起きて座った姿勢となり、 大腿部と臀
部に荷重がかかります。 腹部アタッチメントポイントによって吊り下が
った場合、 フルボディハーネスのデザインにより、 荷重は大腿部周辺に
かかります。 また、 骨盤周辺のストラップにより、 臀部にも分散されます。
腹部アタッチメントポイントをフォールアレストの目的で使用する場
合、 適任者は使用方法の評価を行い、 必ず足から墜落するように対策
をとる必要があります。 許容落下距離を抑えるための対策も必要です。
13.シ ョルダーストラップ
ショルダーアタッチメントポイントは、 2つのポイントを合わせて使用
する必要があります。 レスキュー、 下降、 吊り上げ用のアタッチメントポ
イントとして使用可能です。 ショルダーアタッチメントポイントは、 フォ
ールアレストの目的では使用できません。 ショルダーアタッチメントポ
イントから吊り下がる場合、 左右のショルダーストラップの間隔を維持
するために、 スプレッダーを併用することを推奨します。
14.腰部および後部
腰部および後部アタッチメントポイントは、 レストレインの目的でのみ
使用できます。 腰部および後部アタッチメントポイントは、 フォールアレ
ストの目的では使用できません。 どのような状況においても、 腰部およ
び後部アタッチメントポイントをレストレイン以外の用途に使用できま
せん。 腰部および後部アタッチメントポイントは、 ユーザーのウェスト
から受ける小さな荷重にのみ対応します。 ユーザーの全体重を支える
使用はできません。
15.臀部
臀部アタッチメントポイントは、 ワークポジショニング専用で、 2つのポ
イントを合わせて使用する必要があります。 臀部アタッチメントポイン
トは、 フォールアレストの目的では使用できません。 臀部アタッチメント
ポイントは、 ツリーケア、 電設工事、 型枠 ・ 鉄筋工事等におけるワークポ
ジショニングの目的で多く使用されます。 使用していないフォールアレ
スト用ランヤードのアームの先端を、 臀部アタッチメントポイントにク
リップすることについては注意が必要です (その他のアタッチメントポ
イントについても同様)。 つまづく危険や、 Y 字型のランヤードの場合に
は、 墜落の際にエネルギーアブソーバーの伸長が妨げられ、 許容の範
囲を超える衝撃荷重がユーザーに加わる危険があります。
16.作業用シート
作業用シートを取り付けるためのアタッチメントポイントは、 ワークポ
ジショニング専用で、 2つのポイントを合わせて使用する必要がありま
す。 作業用シートを取り付けるためのアタッチメントポイントは、 墜落
を止める目的では使用できません。 作業用シートを取り付けるための
アタッチメントポイントは、 2つのポイントに作業用シートを連結し、
ユーザーが座ることができるため、 吊り下がった状態で長時間作業す
る場合に多く使用されます。 例として、 ビルの窓ガラス清掃作業での使
用が挙げられます。
ユーザーによる用具の点検、 メンテナンスおよび保管
個人用フォールアレストシステムを使用するユーザーは、 用具の点検、
メンテナンスおよび保管について、 少なく ともメーカーの取扱説明書に
定められた要求事項を守る必要があります。 ユーザーが所属する組織
は、 メーカーの取扱説明書を保管し、 全てのユーザーがいつでも参照
できるようにしなく てはなりません。 墜落防止計画の管理に関する最低
要件を定める ANSI/ASSE Z359.2 規格における、 ユーザーによる用具
の点検、 メンテナンスおよび保管に関する内容をご参照ください。
1.メーカーの取扱説明書に定められた点検についての要求事項に加
え、 毎回使用前にユーザーによる用具の点検が必要です。 またユーザ
ー以外の適任者により、 一年以内の間隔で次の項目の点検が必要です:
- マーキングが欠落したり、 判読不能になっていないこと
- 用具の形状、 装着感や機能に影響を与えるパーツの欠損がないこと
- 金属部分の欠陥や損傷を示す形跡、 亀裂、 鋭利な角、 変形、 腐食、 化学
薬品による損傷、 過度な加熱、 変更またはまたは過度の修正
- ストラップやロープに欠陥や損傷を示す形跡 (すり切れ、 アイスプライ
スのほどけ、 ほつれ、 キンク、 ノッ ト、 ねじれ、 破損または引き延ばされた
編み目、 過度の伸び、 汚れや摩耗、 化学物質による損傷、 変質、 過度の潤
滑または不足、 経年劣化) がないこと
2.ユーザーが所属する組織は、 用具の点検基準を定める必要がありま
す。 この点検基準は、 ANSI 規格もしくはメーカーの定める要求事項と同
等、 もしくはそれ以上に厳格である必要があります。
3.点検によって用具の欠陥、 損傷、 メンテナンスの不足が見つかった場
合、 その用具は廃棄するか、 再使用する前に用具のメーカーや代理者
により適切なメンテナンスが行われる必要があります。
メンテナンスおよび保管
1.用具のメンテナンスおよび保管は、 ユーザーが所属する組織により
メーカーの取扱説明書に従って行われなければなりません。 使用状
況によって生じる個別の問題については、 メーカーに問い合わせてく
ださい。
2.メンテナンスが必要もしくは予定されている用具については、 「 使用
不可」 と表示した上で隔離する必要があります。
3.周囲の環境 (例: 気温、 光、 紫外線、 湿気、 油、 化学物質およびその蒸気
等) から損傷を受けないように用具を保管しなければなりません。
TECHNICAL NOTICE ASTRO BOD FAST
C0061900D (040619)
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