検定液は、蒸留水またはイオン交換水(ISO 3696「grade 3」に準拠するもの)を使用し
ます。 通風がなく、ピペット、チップ、検定液、室温が15~30℃で安定(±0.5℃)し
た状態で検定を行ってください。相対湿度は、50%以上必要です。特に50µl以下の容量
では、できるだけ湿度が高い方が蒸発の影響を防ぐことができます。エヴァポレーショ
ントラップなどのアクセサリを使用することもお勧めします。
検定
ピペットは、最大容量(通常容量)と最小容量で検定します。新しいチップを装着し、
検定液の吸排を3~5回行った後、それぞれの容量について10回ずつピペッティングを行
います。ピペットは、常に選択した容量を分注(Ex)するように調整します。フォワー
ド分注法の使用をお勧めします。最大許容誤差は、フォワード法に合わせて定められて
います。マルチチャンネルの場合は全てのチャンネルを検定することをお勧めします
が、両端チャンネルのみで検定することも可能です。調整は中央のどちらかのチャンネ
ルにて行います。後述のISO8655キャリブレーション規格の表またはお客様がお決めに
なった規格で比較することをお勧めします。
手順:
1. 最小容量で10回ピペッティングし、天秤でそれぞれの重量を測定します。
2. 最大容量で10回ピペッティングし、天秤でそれぞれの重量を測定します。
3. それぞれの容量について、誤差(A)と不精密度(cv)を計算します。
4. 結果を表1の規格と比較します。
計算結果が選択した容量の規格値の範囲内ならば、ピペットが正常に調整されています。
ISO8655キャリブレーション規格
Thermo Scientific Finnpipette Digitalの仕様はISO8655規格に準拠しています。
Finnpipette Digital容量可変シングルチャンネル
範囲
検定容量
0,2-2 µl
0,5-10 µl
2-20 µl
5-50 µl
10-100 µl
20-200 µl
100-1000 µl
1-5 ml
2-10 ml
Finnpipette Digital容量可変マルチチャンネル
範囲
チャンネル数
0.5-10 µl
8, 12
5-50 µl
8, 12, 16
50-300 µl
8, 12
不正確度
µl
µl
2
±0.080
0.2
±0.080
10
±0.120
1
±0.120
20
±0.20
2
±0.20
50
±0.50
5
±0.50
100
±0.80
10
±0.80
200
±1.60
20
±1.60
1000
±8.0
100
±8.0
5000
±40.0
1000
±40.0
10000
±60.0
2000
±60.0
容量
検定
µl
10
1
50
5
300
50
不精密度
%
s.d. µl
±4
0.040
±40
0.040
±1.2
0.080
±12
0.080
±1.0
0.10
±10.0
0.10
±1.0
0.20
±10
0.20
±0.8
0.30
±8.0
0.30
±0.8
0.60
±8.0
0.60
±0.8
3.0
±8.0
3.0
±0.8
15.0
±4.0
15.0
±0.6
30.0
±3.0
30.0
不正確度
µl
%
±0.24
±2.4
±0.24
±24
±1.0
±2.0
±1.0
±20
±8.0
±2.7
±8.0
±16
51
cv%
2.0
20.0
0.8
8.0
0.5
5.0
0.4
4.0
0.3
3.0
0.3
3.0
0.3
3.0
0.3
1.5
0.3
1.5
不精密度
s.d.µl
cv%
0.16
1.6
0.16
16
0.4
0.8
0.4
8.0
3.0
1.0
3.0
6
日
本
語