ネック
ネックには弦の張力がかかっています。チューニング状態や弦のゲー
ジが変わったときだけでなく、温度や湿度の変化によっても反り具合
が微妙に変化してしまいます。そのため、ネックは内蔵されたアジャ
ストナットを回すことで、反り具合を微調整できる仕組みになってい
ます。 正しくチューニングし、演奏時の状態にギターを持って、1弦
の1フレットとボディーとの接合部分にもっとも近いフレットを同時
に押さえた状態(1フレット部にカポタストを装着すると便利です。)
で、8フレット部での弦とフレットのすき間を計ります。同様に低音
弦側でも同じ測定を行い、それぞれのすき間がおおよそ0.3mm〜
0.4mmになることを目安とした、わずかな順反り状態に調整します。
ネックの形状やボディーとのジョイント方法によって症状はさまざまですが、弦高が高く、
高音部の弦ビレがひどくなり、イントネーションが合いにくい場合は、ネックが順反りしす
ぎている可能性があり、このすき間が大きくなります。弦高が低くなって低音部の弦ビレや
音づまりが発生する場合は、ネックが逆反り状態になっている可能性があり、このすき間が
小さくなります。見た目だけの判断ではなく、症状と合わせた調整が必要です。
アジャストナットはヘッド側(モデルによってはトラスロッドカバーの内部)か、ネックの
付け根側に取り付けられています。 ギターに付属の六角レンチ、またはソケットレンチ
を使用して、アジャストナットを右方向に締め込むほどネックは逆ゾリ方向に曲がり、左
方向にゆるめるほど順ゾリ方向に曲がります。四分の一回転ずつを目安に、少しずつ
チューニングと調整をくり返してください。
*ネックの調整には十分な注意が必要です。アジャストナットが上手く回らない時や正しく調整できない場合は、無理な調整は避け、お
買い求めの楽器店か弊社にご相談ください。
ゆるめる
締める
弦高
弦高とはフレットと弦との距離を示し、特に弦を押さえたときの演奏性に大きく影響しま
す。正しいネックの反り状態で正しくチューニングを行ってからフレットと弦のすき間を
計って判断します。14フレット部で表の値が一般的な演奏性のための目安となります。 弦
高が高すぎると運指が難しくなり、逆に低すぎると弦ビレや音づまり、サスティーンの劣
化を発生します。弦高調整はブリッジ本体またはブリッジサドルの高さを変化させて調整
します。別紙調整マニュアルにしたがって調整してください。また、ネック調整やゲージ
の異なる弦への交換後も弦高の再調整が必要です。
ソリッド、セミアコースティックギター
フルアコースティックギター
*表示以外の弦は1弦と最低音弦の間で徐々にすき間が大きくなるように調整します。また、弦高を高くする場合は弦切れの可能性があ
りますので、あらかじめ弦をゆるめてから調整を行ってください。
弦長(イントネーション)
新しい弦に交換した時やネックの調整を行った後には、すべて
のフレットで正しい音程が得られるように、弦の長さを微調整
(イントネーション調整)することが必要です。正しくチューニ
ングし、演奏時の状態にギターを持って、それぞれの弦の12
フレットを押さえた時の音と、12フレット上でのハーモニク
ス音がおおよそ等しいかどうかを判断する方法が一般的です。
ハーモニクス音を基準として、フレット音が低い場合はブリッ
ジサドルを前方(ヘッド側)へ移動させて弦長を短くします。
逆にフレット音が高い場合は、ブリッジサドルを後方(ヘッド側
と逆方向)へ移動させて弦長を長くします。別紙調整マニュアルにしたがって調整してください。
*正確なイントネーション調整にはチューニングメーターが必要です。特にサドルを後退させる場合は弦切れの原因になりますので、必
ず弦をゆるめてから調整を行ってください。
1弦
最低音弦
1.5〜1.7mm
2.0〜2.3mm
1.7〜2.0mm
2.3〜2.5mm
ゆるめる
ゆるめる
締める
ゆるめる
0.3 〜0.5mm
8フレット
締める
締める
5